Vol.181

高品位・高精細印刷と高い成形性を両立する

成形用高精彩インキ

高品質が求められる自動車内装部品の開発ご担当者様にお知らせです!

成形⽤⾼精彩インキシステムが実現する、微細印刷・美しいグラデーション・ムラの無いベタ印刷と優れた成形機能の両⽴をご紹介致します。

1. 成形品の加飾工法

立体物に自由なデザインを実現するフィルムインサート成形(FIM/IMD)

FIM/IMDは、(1)印刷工程 (2)フォーミング工程 (3)インジェクション工程の3つの工程で加飾を行います。この3つの工程による加飾は、印刷による加飾のため塗装などと違い自由度の高いデザインが可能となります。

フィルムインサート成形(FIM/IMD)の3つの工程

  1. スクリーン印刷工程:
    熱可塑性樹脂フィルムへの意匠印刷。
  2. フォーミング工程:
    あらかじめ押出成形されたシートを加熱軟化させ、冷却固化前に型へセットし、真空圧や圧縮空気で最終形状に成形後、トリミング(仕上げ加工)を実施。
  3. インジェクション工程:
    所定の金形に挿入し、加熱融解流動化された成形樹脂材料を圧力を加えて金形に流し込み、冷却固化させ印刷シートと成形樹脂材料を一体化。

FIM/IMD以外にもインジェクション工程がなく、(1)印刷 (2)フォーミング工程のみの工法もあります。この場合も印刷による加飾のため自由度の高い加飾が可能です。

2. 高精彩インキによる成形物への高品位・高精細な加飾の実現

高品位・高精細印刷と優れた成形性の両立

FIM/IMDなど印刷・成形による加飾工法は、デザインの自由度が非常に高いことから意図するデザインを高精度に実現することを常に期待されてきました。

そのような高精度化の要求に、成形用高精彩インキは高品位・高精細印刷と優れた成形機能を両立することで応えました。これら2つの機能の両立により、100μmレベルのドットによるグラデーション、線幅100μmレベルの細線、ムラの無い美しいベタ等の高精度な加飾を成形品上に実現することが可能になりました。

以下は100μmレベルの太さの違う細線を印刷したフィルムを成形例です。成形後も断線等も見られず、当初の太さの違いを維持して美しい格子模様を維持しています。

100μmレベルの太さの違う細線を印刷したフィルムを成形例

成形用高精彩インキの特徴

成形用高精彩インキ、XFM(フォーミング用インキ)、XIP-HF(FIM/IMD用インキ)には以下の特徴があります。

項目 XFM XIP-HF
製品説明 フォーミング対応一液型
高精彩スクリーンインキ
ニ液型インサート成形用
高精彩スクリーンインキ
特徴 後加工時の優れた塗膜の柔軟性
優れた真空成形耐性
優れた印刷安定性と高速印刷適性
後加工時の優れた耐熱性
処理PET・PCへ良好な接着性
ハロゲン(塩素Cl,臭素Br)化合物不使用
高品位
高精細
ベタと微細パターンを忠実に再現
100μmの細線を高い精度で印刷
(片側ダレ幅:8μm以内)
ベタと微細パターンを忠実に再現
100μmの細線を高い精度で印刷
(片側ダレ幅:8μm以内)
印刷素材 PC, PMMA 処理PET, PC
用途 自動車銘板 自動車部品, 家電製品

3. 高精彩インキの優れた成形機能の事例

高品位・高精細なグラデーションと成形の両立

ドット径100μmのグラデーションが実現する質感を成形後も維持しています。

ドット径100μmのグラデーションが実現する質感を成形後も維持した事例

鮮やかで肌理の細かいグラデーションと成形を両立。デザインの幅を更に広げます。

高精彩インキ(高精細インキ)。鮮やかで肌理の細かいグラデーションと成形を両立した事例

 

ベタとグラデーションを一つの版で印刷した大型成形物の事例

従来はベタとグラデーションで版を分ける必要があったが、高精彩インキはひとつの版で印刷が可能です。

ベタとグラデーションを一つの版で印刷した大型成形物の事例