耐擦傷性を向上したプラスチック板
ハードコート
プラスチックはガラスに比べて軽量で割れ難く、かつ成形、切断、加工がし易いなどの特徴をもっておりますが、傷がつき易いという欠点があります。
ゲーム機や携帯電話の液晶画面の窓板、オーディオ製品の表示板、ガラス代替えの建材などには傷付き難いことが要求され、耐擦傷性を向上させた表面硬度の高い各種のハードコート材が使用されております。今回はハードコート材の種類と特徴について、また、このハードコート用の当社インキについて御紹介致します。
1. ハードコート処理されたプラスチック表面
ハードコート処理されたプラスチック表面は、テーバー磨耗試験での耐性が著しく向上しております。
2. ハードコートの要求性能
その使用目的から次のような性能が要求されます。
*表面硬度が高く、傷付き難い
テーバー摩耗試験(ΔHt) <10%(ASTM D1044 CS-10F 500g)
*透明性が優れる
透過率>90% 紫外線吸収剤などの併用により耐久性、耐候性の向上
*耐薬品性
各種の耐薬品性に優れる
3. ハードコートの用途
次のような各種の製品に使用されております。
*光学レンズ *家電表示板 *自動車部品
*電気機器のカバー *建築材料
4. ハードコートの種類と特徴
4-1. コーティング剤
ハードコートはコーティング剤によって下記の三種類に分けらます。
コート剤 | 化学物質 | 表面硬度 | 特徴 | 欠点 |
---|---|---|---|---|
有機系 | *メラミン樹脂 *ウレタン樹脂 *アクリル樹脂 |
やや硬い | 取り扱い容易 リコート性が良い |
硬さ不十分 耐久性不十分 |
*紫外線硬化型多官能 アクリル樹脂 |
硬い | 取り扱い容易 インキによってリコート可能 |
残存未反応物による耐候性に影響 | |
シリコン系 | シラン化合物 | 最も硬い | ガラス構造を持つ為、硬さと耐久性が両立できる | リコート性が劣る |
無機系 | 金属酸化物 | 硬い | 真空蒸着による制膜 | 下地のプラスチックとの接着性が縣念あり |
4-2. シート素材
ハードコート材用の主なシート素材はPCとアクリルです。
アクリルハードコート材は主に平板用途として使われ、PCハードコート材は耐衝撃性を持ち、ある程度の曲面に対応が可能です。
5. 当社のインキの特徴
当社が新開発したハードコート用溶剤型のMABインキシリーズは有機系ハードコート材上に印刷するインキで、メラミン樹脂やアクリル樹脂、ウレタン樹脂及びUV樹脂系のハードコート層に優れた接着性を示します。
MABインキの特徴は
*優れた接着性
ハードコート層に優れた接着性を持つ
*フレキシブルで強靭
柔軟で強靭な塗膜を持ち、切削加工などの後加工性に優れる
*耐性に優れる
2液硬化型で、各種の耐性に優れております。
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