製品概要

UV NOC インキシリーズは、揮発性有機化合物(VOC)であるアルデヒド類の発生を抑えた環境対応型スクリーン印刷インキです。アウトガスの発生もなく銘板用として優れた適性を持つ塗膜を形成します。
自動車メーター、コントロールパネル、家電銘板等、幅広い用途に使用できます。

用途

  • 各種ポリカーボネート、処理PETへの印刷
  • 自動車メーター、コントロールパネル、家電銘板等の各種銘板の印刷

特長・機能

  • 原材料に揮発性有機化合物であるアルデヒド(ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド)の発生原因となる化合物を意図的に使用しておりません。
  • 低臭気で皮膚刺激性の低い安全なインキです。

基材

  • PC、易接着処理PET、ABS

希釈

  • 希釈なし(希釈が必要な場合:RE-810 レジューサー2%以内)

補助剤

  • SM-269 消泡剤0~1%(発泡やハジキが生じる場合)

推奨洗浄剤

  • 刷版の洗浄には、スクリ-ン洗剤L2を使用して下さい。

メッシュ

  • T-300~380メッシュ(T-300のとき、印刷面積は約60~80m2/kg)
  • T-300メッシュで膜厚9±2μmの印刷を推奨します。

乾燥/硬化

  • 積算光量800~1000mJ/cm2、ピーク強度800~1000mW/cm2(アイグラフィックス社製積算光量計)
  • 目安:160W/cmメタルハライドランプ2灯、ランプ高さ8cm、ベルトスピード8m/分

設定色

  • 000メジウム

  • 163紅

  • 168紅

  • 177赤

  • 182赤

  • 234青黄

  • 263赤黄

  • 277赤黄

  • 391藍

  • 525朱

  • 581牡丹

  • コンク611白

  • 672白

  • 797草

  • 821紫

  • 972墨

カラーガイドのご紹介

注意

  • 製品化前の接着性確認:原反、工程、印刷によって接着性が変化することがありますので、量産印刷前には、必ず接着性を確認して下さい。
  • インキの品質安全期間:製造日より未開封で12か月

消防法

  • 危険物第四類第三石油類危険物等級Ⅲ級

安全な取り扱い

  • 皮膚や目を保護するために、安全手袋や保護眼鏡をご使用下さい。もし、インキが皮膚に付着した場合は、石鹸などで十分に洗い流して下さい。また、目に入った場合は水(または微温水)で十分に洗眼した後、医師の診断を受けて下さい。
  • 使用後は、容器を完全に密閉し冷暗所に保管して下さい。
  • SDSを用意しております。本製品を取り扱う前にSDSをご請求頂き、ご理解の上使用者の責任において取り扱い下さい。

耐性

試験項目 試験条件 試験結果
接着性 JIS-K5600-5-6:ISO2409(クロスカット法)、1mm幅で6×6、セロハンテープ剥離 異常なし
耐熱性 90°C・200時間塗膜の外観変化と剥離の有無 異常なし
耐湿性 65°C・95%RH、96時間塗膜の外観変化と剥離の有無 異常なし
冷熱サイクル性 90°C・2.5hr~25°C・0.5hr~-40°C・2.5hr~25°C・0.5hr、10サイクル塗膜の外観変化と剥離の有無 異常なし
耐温水性 40°C温水・24時間浸漬後、自然放置1時間にて塗膜の外観変化と剥離の有無 異常なし
耐アウトガス性 アクリル板で蓋をして100±3°C・48時間後、アクリル板の曇りの有無 異常なし
耐屈曲性 屈曲試験機180°折り曲げで塗膜のひび割れの有無 異常なし
耐打抜き性 パンチで打ち抜いた後の塗膜の割れ・剥がれの有無 異常なし
促進耐候性 ウェザオメーターBP 温度63±3°C 変褪色と剥離の有無 異常なし(600hr)

試験条件

  • 原反:PC
  • 印刷条件:T-300メッシュ(膜厚11μm)
  • 硬化条件:160W/cmメタルハライドランプ×2灯、ランプ高さ8cm、ベルトスピード8m/分
  • 上記耐性試験結果は、弊社における測定結果であり、保証値ではありません。
  • 本カタログに記載されている情報は、予告なく変更する場合が有ります。

よくある質問

FAQ

FIM/IMDとは何ですか? また、関係するテクニカルレポートもご紹介ください。

FIM/IMDで、フィルムと流し込む樹脂の組み合わせの例はどんな物が有りますか?

シートにはPCやPET、アクリル等があります。樹脂に関しては、PC、PMMA、ABS、PC/ABS、AS等が適しています。逆にPP等のオレフィン系樹脂は接着性の面から難しいのが現状です。

インサート成形とインモールド成形の違いは何ですか?使用するインキの違いはありますか?

ここで言うフィルムインサート成形は、印刷面がシートと樹脂の間に封入される状態になります。インモールド成形は、シートと樹脂が密着し、表に印刷面が出る状態です。使用インキは要求性能により変わります。

インサート成形で行える大きさはどれくらいまで可能ですか?

理論的には成形機に依存します。また、シートの伸び率にも限界がある為、印刷基材に影響されます。

一般的にインキ+成形の方法で製品を作っている業種や実際の製品はどのようなものがありますか?

業種としては、自動車内装、アミューズメント、家電が中心となります。実際の製品は、スピードメーターやパチンコ台、ポットやテレビなど多岐に渡ります。

成形インキについて機能性インキを使用する場合、制約が掛かりますか?

色調、輝度感などに限度があります。デザインによってはお客様のご希望に添えない場合が御座います。ご了承ください。

塗膜と樹脂を無理にはがした時、はく離面を見ると、片面にインキが残る場合と、両面にインキが残る場合があります。これは何故ですか?

インキが原反面のみに残る場合は、成形樹脂との密着が悪く、成形樹脂面に残る場合は、インキが原反に密着していない「界面はく離」の状態です。

また、原反面と樹脂面にインキが残っている場合は、原反、樹脂への密着は良好だが、塗膜自身に破壊が起きている「凝集破壊」の状態です。

樹脂と塗膜が剥がれてしまいました。どうすれば良いですか?

樹脂とインキ塗膜、原反が適応していない可能性があります。弊社営業に御一報ください。

今まで接着していたのに、急にはく離が発生します。どうすればよいのでしょうか?

今まで接着していたのに、急にはく離が発生します。どうすればよいのでしょうか?
以下のポイントをチェックしてください。
①塗膜の膜厚
・バインダー層の膜厚が低いと密着が弱くなる傾向があります。
②塗膜の乾燥条件
・充分に乾燥していないと、塗膜の強度が弱くなり、凝集破壊が発生します。
③インキ及びバインダーに消泡剤などの添加剤を入れていないか?
・消泡剤等の添加剤を入れた場合、樹脂との密着が悪くなる傾向があります。

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