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TECHNO-FRONTIER 2022 出展レポート
開催概要
TECHNO-FRONTIER は、メカトロニクス、エレクトロニクス及びそれらに関連する専門領域の最新技術と製品が展示される技術展です。当社はデザイン性向上とコスト削減に貢献するセンサー対応インキ(赤外線透過インキ)と非接触センサーを組み合わせた印刷技術、フレキシブルで様々な素材に密着することができる電磁波シールドインキ(新規開発品)を展示致しました。
- 会期
- 2022年7月20日 ~ 7月22日
- 会場
- 東京ビッグサイト
- 公式HP
- https://www.jma.or.jp/tf/index.html
出展内容の一覧
1.様々な分野に応用される非接触スイッチの加飾技術のご紹介
1.非接触スイッチとは
非接触スイッチとは、内蔵された赤外線センサーが、かざされた手を検知することで、非接触でオン・オフを実現するスイッチです。
センサー対応インキを赤外線の投光・受光口に印刷することで、 内蔵されたセンサーを意識させないデザインが可能になります。
(1)センサー対応インキを印刷したカバーガラス、(2)センサー本体(ICチップ)
(3)センサーが投光・受光する赤外線
2.非接触スイッチの可能性を広げるセンサー対応インキ
センサー対応インキは、非接触スイッチが内蔵するセンサーの特性に合わせて透過波長や透過度の調整が可能です。 また、センサー対応インキにより非接触スイッチの加飾に自由度が増すために、様々な分野への応用が可能になります。
加飾の方向 | 実現したいこと | センサー対応インキが支援可能なこと |
---|---|---|
見せる | 感染症対策用の非接触スイッチ として目立たせたい。 | 物理的な制限なく、自由なデザインのスイッチが可能 |
隠す | センサーを意識させずに 特定の条件のみを検知したい。 |
センサーを隠すシームレスなデザインが可能 (デザイン性の向上やセキュリティ対策への応用) ユーザーに意識させずに特定の状況を検知して対応が可能 (状況で電源を制御する省電力への応用(詳細後述)) |
隠す+見せる | 不要な時は隠して、必要な時に 必要な情報を提供したい。 | ステルス印刷との組合せで「必要な時に必要な情報を」 が可能 (シャイテック(Shy Tech)(詳細後述)) |
3.非接触ボタンへの応用
不特定多数の方が触れる製品の非接触化が始まっています。
測距センサーと赤外線透過インキを組み合わせる事で、非接触ボタンへの応用が可能になります。
センサー部品を目立たせたくない。但し、機能は下げたくない部品に赤外線透過インキは最適です。
以下では、矢印の下に赤外線透過インキが印刷されており、指を近づけると内蔵されたセンサーが反応して青く光ります。
協力会社:株式会社エレバイザージャパン様、東亜エレクトロニクス株式会社様
2.製品の軽量化に貢献する、電磁波シールド用インキのご紹介
1.電磁波シールド用インキとは
電磁波シールド用インキは、導電インキの一種であり、導電性を有する塗膜が電磁波の侵入・漏洩を遮断(シールド) するインキです。金属板など他のシールド材と比較して、軽量薄型で高耐湿性など機能性に優れています。
以下は、非接触ボタンのデモ機から放射される電磁波(この例は、放射電界を計測)を電磁波シールド用インキの印刷物(フィルムにスプレー塗装)で シールドした例です。 放射電界が、通常時の計測値(114 V/m)(左)から計測不能(0 V/m)(右)までにシールドされています。
スクリーン印刷のフィルムでシールドした例は、第13回オートモーティブ ワールドで紹介しています。
2.電磁波シールド用インキの特徴
電磁波シールド用インキには4つの特徴があります。
- 樹脂材料との組み合わせで軽量化や薄型化が可能
- 広範囲な材料に接着
- 必要部分のみをパターン印刷できる
- 広範囲の周波数(0.1MHz~8.5GHz)を1種類のインキでシールド可能
他の電磁波シールド材料とは異なり、電磁波シールド効果とスクリーン印刷のメリットを兼ね備えた製品となっています。
3.電磁波シールド用インキのシールド性能
電磁波シールド用インキのシールド効果は、インキの抵抗値・印刷条件により調整することが可能です。 以下は各周波領域でのシールド効果を測定した結果です。
20dB(赤線)において99%の反射率を示しています。
4.電磁波シールド用インキの使用方法
①スクリーン印刷:シールド機能が必要な部分の形に印刷ができる
②スプレー塗装:製品に直接吹き付けて電磁波シールド機能を付与できる
5.電磁波シールド用インキの印刷例
以下は、MRX-HF導電インキ 墨・グレー・茶の印刷サンプルです。 電磁波シールド用インキは、電磁波シールドと加飾を印刷という1つの工程で両立することが可能です。 なお、設定色以外での加飾の場合は、通常インキの重ね印刷で自由な表現が可能になります。
- MRX-HF 導電インキ 墨・グレー・茶のスクリーン印刷例
印刷条件:
墨・グレー T-250メッシュ、Z-004溶剤 5%、210硬化剤 5%、80℃-30分
茶 T-250メッシュ、SM-800添加剤 10%、210硬化剤 5%、80°C-30分
- MRX-HF導電インキ 茶のスプレー塗装例
スプレー塗装条件:Z-701溶剤 100%、210硬化剤 5%、80℃-30分
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