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第12回オートモーティブワールド 出展レポート

開催概要

第12回オートモーティブ ワールドは、自動運転、クルマの電子化・電動化、コネクティッド・カー、軽量化など、自動車業界における 先端テーマの最新技術が一堂に出展される技術展です。
当社はこの技術展に、ステルス印刷(隠し印刷)、センサー対応インキ(IR透過インキ)、高精彩インキ(高精細スクリーンインキ)等、 最新のインキ・印刷技術を出展致しました。

会期
2020年01月15日 ~ 17日
会場
東京ビッグサイト
公式HP
https://www.automotiveworld.jp/ja-jp.html

出展内容の一覧

1. ステルス印刷(隠し印刷)による驚きを演出するデザインのご紹介

1. ステルス印刷(隠し印刷)の原理

ステルス印刷(隠し印刷)とは、ステルス印刷用インキ(透過光の波長・透過量を調整したインキ)を利用して、 通常の加飾にバックライト照射時に現れる別のデザインを付与する印刷表現になります。 このステルス印刷により驚きを演出する動きのあるデザインが可能となります。

(1)表:マットクリアー層 (2)PC基材 (3)裏:1層目 ステルス印刷用インキ (4)裏:2層目 墨抜きパターン
ステルス印刷(隠し印刷)の構造
(1)印刷 (2)成形 (3)バックライト照射(文字が現れる!(驚きを演出する動きのあるデザイン))
ステルス印刷(隠し印刷)の原理

 

2. 透過光の波長調整によるステルス印刷(隠し印刷)のバリエーション

ステルス印刷(隠し印刷)は、ステルス印刷用インキの透過光の波長を調整することで透過光に色を付与することが可能です。 この透過光の波長調整により、同じ白色バックライトを利用しながら豊富なカラーバリエーションを持つデザインを実現します。

透過光の波長(色)を印刷物別に設定したデザイン(白色バックライトなし(上)、照射時(下))
ステルス印刷(隠し印刷)の比較(バックライト無し)
ステルス印刷(隠し印刷)の比較(バックライト無し)

 

2. ディスプレイの存在を忘れさせるシームレス・デザインのご紹介

1.ディスプレイのシームレス・デザインとは

ディスプレイのシームレス・デザインとは、ステルス印刷の応用で、ディスプレイがアクティブでない時に画面の黒と 窓枠や筐体の黒を同化させることで画面を目立たなくするデザインになります。 これは、ディスプレイ全面と窓枠等にステルス印刷を施すことで実現されます。

ディスプレイが窓枠と同化した継ぎ目のないシームレスなデザイン
ステルス印刷(隠し印刷)の構造

 

ディスプレイの利用時は、通常通り画像が表示されます。
フラットパネルディスプレイのシームレス化(電源オン時)

 

3. 安全・自動運転とデザイン性向上を両立するセンサー対応インキ(IR透過インキ)のご紹介

1. センサー対応インキとは

センサー対応インキ(赤外線透過インキ・IR透過インキ))とは、センサーが検知すべき波長の光(赤外線)を選択的に透過させ、 その他の光(可視光・紫外線など)を遮断するインキです。 センサー対応インキを利用することで、センサー受光口にも自由なデザインが可能になります。

 

センサー対応インキの仕組み
センサー対応インキの仕組み
様々な色のセンサー対応インキを印刷したモーションセンサー用シートの例
センサー対応インキの仕組み

 

2. 安全・自動運転技術に関連するセンサー(レーダー)

自動車の安全性向上や自動運転の実現のために自動車には多くのセンサーが必要となります。具体的には、物体や人との距離を把握する ミリ波レーダー、それらの動きを把握するモーションセンサー、それらを含む周囲の状況を立体的に把握するLiDARセンサーなどです。

センサー対応インキは、これらセンサーの受光口の加飾とセンサー機能の向上に貢献します。

センシング対象 センサー名 内容

物体との「距離」

ミリ波レーダー

ミリ波帯(波長1~10mm = 周波数30~300GHz)の電波を使うレーダー

物体・人の「動き」

モーションセンサー

物体・人の動き(加速度・傾き・方向等)を検出するセンサー

物体を3D把握

LiDARセンサー

赤外線で周囲の物体を3次元的に把握できるセンサー

 

センサー対応インキの自動車への応用イメージ
センサー対応インキの自動車への応用イメージ

 

4. 高精彩インキ(高精細スクリーンインキ)による高品質な加飾性のご紹介

1. 高精彩インキ(高精細スクリーンインキ)とは

高精彩インキとは、従来のスクリーンインキでは困難であった、 L/S 100µmの細線・ドット径100µmのグラデーション・ 濃厚なベタの高品質な印刷を可能にする高品位・高精細スクリーンインキです。 高精彩インキと従来インキの印刷品質の比較は、以下の通りです。

印刷品質に関する便益 従来インキ 高精彩インキ

便益1:
微細印刷性

L/S 100µmの細線を片側ダレ幅20µmが限界

L/S 100µmの細線を片側ダレ幅5~8µmで安定印刷

便益2:
ベタと細線の同時印刷

ベタ・細線の同時印刷では、線の滲み・ベタの擦れ等が発生。 版と印刷条件を変えて別々に印刷する必要あり

ベタ・グラデーション・細線の混在デザインを一つの版で印刷可能

便益3:
ソーエッジ対応性

ラインに凹凸が目立つ。真円の抜き印刷では、曲線に凹凸や円に歪みが発生

10µm以下のソーエッジ(印刷境界の凹凸)で美しい直線・円を実現

 

顕微鏡で確認出来る高精彩インキ(高精細スクリーンインキ)の高い印刷品質 (ライン&スペース100µm, 直径250µmのドット)
高精彩インキ(高精細スクリーンインキ)の高い印刷品質

 

2. 高精彩インキ(高精細スクリーンインキ)により実現する高級感のある表現

高精彩インキの持つ高い印刷品質により、100µmの細線を使った繊細なデザインや濃厚なベタと解像度の高いグラデーションを 組み合わせた高級感のあるデザインが可能になります。 これらは従来のスクリーンインキでは実現不可能だった表現です。今までにない表現を使ったデザインを実現したい際には 高精彩インキは最適なインキとなります。

高精彩インキによる細線を駆使した高級感のあるデザインの例 (ライン&スペース100µm, 直径250µmのドット)
高精彩インキ(高精細スクリーンインキ)の高級感のあるデザインの例

 

高精彩インキによる濃厚なベタと解像度の高いグラデーションによる高級感のあるデザインの例
高精彩インキ(高精細スクリーンインキ)の高級感のあるデザインの例

 

5. 高精彩インキ(高精細スクリーンインキ)が実現するコスト削減のご紹介

1.高精彩インキによる多色刷り工程の大幅削減とは

高精彩インキは、ドット径100µmの高精度のグラデーションと濃厚で美しいベタを一つの版で同時に印刷することが可能です。 この高い印刷品質により従来10工程の多色刷りで表現した画像を半分の5工程で再現することが可能になります。

従来インキの10工程で印刷した画像
高精彩インキ(高精細スクリーンインキ)の高い印刷品質
高精彩インキ(高精細スクリーンインキ)の5工程で印刷した画像
高精彩インキ(高精細スクリーンインキ)の高い印刷品質

 

6. 自動車メーターの視認性向上に貢献するディスプレイ用クリアーのご紹介

1.光学特性(光沢度)の設定可能なディスプレイ用クリアーとは

このディスプレイ用クリアーは、外光を反射する光沢度であるグロス値を調整する機能を保有しています。 この調整機能は、使用環境に合わせたアンチグレア(反射防止)クリアーの実現を可能にし、 自動車メーター等の視認性向上に貢献します。

グロス値による反射光の比較例(グロス値 5, 10, 20(左から))
ディスプレイ用クリアーのグロス値の比較
反射防止クリアーの例(グロス値 5, 10, 20(左から))
自動車メーター用クリアー

 

7. 各種クリアー(I)傷による劣化を防ぐ耐傷付き防止マットクリアーのご紹介

1. 耐傷付き防止マットクリアー(FLG-HF G05マットクリアー)とは

耐傷付き防止マットクリアー(FLG-HF G05マットクリアー)とは、柔軟性と硬度を最適にバランスすることで、成形性と高い耐傷付性 (傷耐性·耐擦傷性)を両立したマットクリアー(スクリーン印刷用インキ)です。 グロス値 0.5の超マットも設定可能で、両立が困難だった成形とマットの両立も可能です。 この耐傷付き防止マットクリアーを自動車内装に使用することで、擦傷等の無い美しい内装空間の維持が可能となります。

金ブラシで擦っても目立つ傷が付かない耐傷付き防止マットクリアー(真ん中の黒・グレー部)
耐傷付き防止マットクリアー(FLG-HF G05マットクリアー)
両立が難しい成形性とマットを実現する耐傷付き防止マットクリアー(写真はコンバーテック2016より)
耐傷付き防止マットクリアー(FLG-HF G05マットクリアー)

 

2. 傷付防止工程簡略化によるコスト削減への貢献

この耐傷付き防止マットクリアー(FLG-HF G05マットクリアー)を自動車メーターに使用することで、従来の製造工程に 必要だった傷付防止フィルムの貼付け作業が不要となるためコスト削減が期待できます。

自動車メーターに使用された例
耐傷付き防止マットクリアー(FLG-HF G05マットクリアー)

 

7. 各種クリアー(II)薬品による劣化を防ぐ耐薬品クリアーのご紹介

1.耐薬品クリアーとは

耐薬品クリアー(JS-HF 70317 FT クリアー)とは、日用品に含まれる薬品に対して優れた耐性を持つクリアー (スクリーン印刷用インキ)です。

例えば、日焼け止めクリーム等には、自動車内装で使用される樹脂や塗装を侵す薬品が含まれています。 しかし、この耐薬品クリアーを使用することで、それら薬品による劣化から自動車内装を守り、美しさを維持することが出来ます。

日焼け止めクリームを塗布した例(耐薬品クリアーは浸食なし(左))
自己修復クリアー

 

8. デザイン・安全・節電等、応用範囲が広がる蓄光インキのご紹介

1.高い蓄光機能と発光力を持つ蓄光インキ

蓄光インキとは、光を吸収し発光する機能を持つインキです。 この蓄光機能は、夜間での自動車利用を想定した利便性・安全性に配慮したデザインで力を発揮します。 また、デザイン性を強調して利用することで、昼夜で印象の違う空間演出も可能となります。

ブラックライトの照射により高い輝度を発揮する蓄光インキ
金ブラシの傷も修復する自己修復クリアーの例
安全性を高める表示に利用される蓄光インキの例
金ブラシの傷も修復する自己修復クリアーの例

 

9. 自動車内装の高級感の演出に貢献するピアノブラックインキ(漆黒インキ)のご紹介

1.ピアノブラックインキ(漆黒インキ)とは

ピアノブラックインキは、高級ピアノのような深く美しい黒を表現する黒色インキとなり、 IPX-HF・MRX-HFインキシリーズで設定されています。 この黒色は、漆塗りのようなしっとりした黒のため漆黒インキとも呼ばれます。 このピアノブラックインキを自動車の操作パネルなどの内装部品に使用することで、高級感のある車内空間の実現が可能となります。

通常の墨インキ(左)と比較してより深い黒色を表現するピアノブラックインキ(右)
金ブラシの傷も修復する自己修復クリアーの例
ペンライトの照射による比較(通常の墨インキ(左)とピアノブラックインキ(右))
金ブラシの傷も修復する自己修復クリアーの例

 

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