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コンバーティングテクノロジー総合展 2019 出展レポート
開催概要
「コンバーティングテクノロジー総合展 2019」において、製品の意匠性や機能性を 付加する技術や材料をテーマとする「三次元表面加飾技術展」が開催されました。
当社はこの技術展に、高級感を商品に付与する高精彩インキ (高品位・高精細スクリーンインキ)等、最新の印刷·インキ技術を出展致しました。
- 会期
- 2019年01月30日 ~ 02月01日
- 会場
- 東京ビッグサイト
- 公式HP
- http://convertechexpo.com/
出展内容の一覧
1. 安全性向上・自動化を支えるセンサー用インキのご紹介
1. 各種センサーに対応したセンサー用インキ
センサー用インキ(赤外線透過インキ(IR透過インキ))とは、センサーが検知すべき波長(赤外線等)を 透過させ、その他の波長(可視光・紫外線など)を遮断する機能を持つインキです。 センサーの誤動作防止と受光口への自由な加飾を両立するインキとなります。
- センサー用インキの仕組み
2. 自動車の各種センサーに対応したセンサー用インキ
現代の自動車には、安全性と快適性を高めるために多くのセンサーが使用されています。 当社のセンサー用インキは、各種センサーが検知すべき波長のみを透過させることで、 センサーの受光口に自由な加飾を付与すると同時にセンサーの精度向上にも貢献します。
検知対象 | センサー名 | 詳細 |
---|---|---|
物体との距離 |
ミリ波レーダー |
ミリ波帯(波長1〜10mm=周波数30〜300GHz)の電波を使うレーダー |
物体の動き |
モーションセンサー |
物体の動き(加速度・傾き・方向等)を検出するセンサー |
物体の3D把握 |
LIDARセンサー |
赤外線で周囲の物体を3次元的に把握するセンサー |
- センサー部へのパール色の加飾とセンシング精度を両立したモーションセンサーの例
2. 光を利用した新しいデザインのご紹介
1. 隠し印刷を利用したデザイン
前述のセンサー用インキ(IR透過インキ)は、透過光の波長を可視光領域で調整することで、 通常時とバックライトを照射した時で全く違うデザインを実現する「隠し印刷」に応用することが出来ます。 加飾目的の他、偽造防止等のセキュリティー分野でも利用が可能です。
- 様々な加飾が施された成形物(隠し印刷の有無の区別がつきません。)
- バックライトにより通常とは全く違うデザインを実現
- 隠し印刷が施された成形物の例
- バックライト照射時のデザイン
2. 蓄光機能を利用したデザイン
蓄光インキは、太陽·電燈等の光線のエネルギーを吸収·蓄積し、それを徐々に放出させ 発光する性質を持つインキです。吸収-蓄積-発光を何回でも繰返すことが出来ます。 新しいデザインの実現、安全対策・節電対策への応用も可能です。
- ブラックライトを使用して蓄光インキを発光させた例
3. 高精度印刷による高級感の実現。高精彩インキシステムのご紹介
1. 微細印刷性による高級感の付与
高精彩インキ(高品位・高精細スクリーンインキ)は、L/S(ライン&スペース)100µmの細線 も片側ダレ幅5~8µmで安定印刷が可能です。 (従来のスクリーン印刷では、その数倍のL/S 数百µm、ダレ幅20µm以上が限界でした。) この高精彩インキの高い微細印刷性が、今までに無い高級感のあるデザインを可能にします。
- スマートフォンサイズのガラスに印刷された微細印刷性を利用したデザインの例
- 高級感の付与に応用可能な高精彩インキの微細印刷性の例
2. 美しいベタ・グラデーションによる高級感の付与
高精彩インキは、ムラの無い美しいベタと100µm以下のドット径による 高解像度のグラデーションも実現します。 この美しいベタとグラデーションは、商品に高級感を付与する際に力を発揮します。
- 100µm以下のドット径による精密なグラデーション印刷の例
- ベタとグラデーションに独特の色味を組合せることで今までにない質感を表現した例
3. 優れた印刷精度による高級感の付与
従来のスクリーン印刷では印刷境界線にソーエッジと呼ばれる凸凹が発生することがありました。 しかし、高精彩インキでは、凹凸の無いスムーズな境界線を実現します。 この優れた印刷精度により品質要求の厳しい製品への加飾も可能となります。
- 高精彩インキで印刷した回路基板デザインを顕微鏡で確認
- 高い精度で印刷されたライン幅100µmの線と250µmのドット径の例
4. 本物の素材感の再現による高級感の付与のご紹介
1. 本物の金属のような光沢・素材感の実現
ミラーインキと成形の組合せにより、メッキ工程を経ずに高級感のある金属調デザインが可能となります。 また、ミラーインキは金属メッキと違い環境負荷物質を使用しないため、 環境面·コスト面で大きな利点があります。
- メッキ代替としてミラーインキと成形の組合せによる加飾の例
- ミラーインキをロールコーターで印刷したシートの成形例。金属調の高級感とコスト削減を両立します。
2. 漆塗りのような黒(ピアノブラック)の実現
漆塗りのしっとりとした黒色は、漆黒またはピアノブラックと言われて高級感の付与に欠かせない色です。 この漆黒色の利用により成形物やガラスに独特の高級感を与えることが可能です。
- 漆黒色をロールコーターで印刷したシートの成形例。漆黒色の高級感とコスト削減を両立します。
3. 真珠のような柔らかな色合いと美しい光沢の実現
ステラインキ(STELLA、高輝度パールインキ)は、天然の真珠のように反射光が互いに干渉し合い、 見る角度により色が変わる独特の高級感のあるデザインを実現します。
- ステラインキ(STELLA、高輝度パールインキ)をロールコーターで印刷したシートの成形例
4. 本物が持つ高級感のある素材感の実現
前述の高精彩インキの高い印刷精度により、本物が持つ高級感のある素材感を 再現することが可能です。
- 大理石の細かい模様を忠実に再現することで本物の素材感を実現した例
5. 3D(立体物)への加飾。塗装代替によるデザイン性の向上のご紹介
1. フィルムインサート成形(FIM)による高級感のあるデザインの実現
フィルムインサート成形とは、Film Insert Molding/ In-Mold Decoration(FIM/IMD)とも呼ばれ、 スクリーン印刷されたフィルムを金型内に挿入し、一体成形により成型品を加飾する工法です。
この工法は塗装と違い印刷による加飾のために、多くの色を駆使した自由で高級感のあるデザインを 立体物に施すことが可能です。 また塗装と比較して、VOC発生の低減·専用設備の不要等、環境·コスト面でも 優れた工法となります。
- 100µmレベルの細線と成形を組み合わせた例
2. 立体物へのTOM成形による加飾
TOM成形とは、加熱して可塑化させた加飾フィルムを立体物に直接貼り合わせて加飾する工法です。 金属・樹脂・木材など幅広い材質の立体物に加飾が可能です。
- 木材の立体物に塗装のような加飾を施した例
3. 立体物へ直接印刷が可能なパッド印刷(PAD印刷)
パッド印刷(PAD印刷)とは、シリコンパッドにインキを転写し、印刷物にスタンプのように押しつけて印刷する工法です。 パッドが印刷面に合わせて変形するために直接立体物に印刷することが可能です。
- 動物の頭の立体置物(素材は金属)にパッド印刷(PAD印刷)で直接加飾した例
4. 圧空成形·真空成形による成形物の加飾
圧空成形·真空成形による成形物の加飾とは、スクリーン印刷により加飾されたシートを 成形する工法です。前述のフィルムインサート成形と違い、射出成形工程が 無い工法となります。
- バイクの風防カウルにグラデーション印刷を施した例
6. 各種耐性や機能性を付与する機能性クリアーのご紹介
1. 優れた耐傷付性を付与する機能性クリアー
機能性クリアーとは、耐傷付性や耐候性等の各種耐性の付与や、光学特性や滑り止めなどの機能性を付与するクリアーです。 例えば、耐傷付性に優れたクリアーを家電製品や自動車内装に使用することで、使用傷から製品を守り、 製品の鮮度を保つことが可能となります。
- 金ブラシの傷も修復する自己修復クリアーの例(グロス(左)、マット(右))
2. 光学特性の調整に優れたクリアーにより視認性とデザイン性の両立
光学特性に優れたクリアーとは、光の透過や反射に関する特性値を自由に調整することで、 製品のデザイン性や視認性の向上を図るクリアーです。
例えば、視認性が求められる自動車メーター等に応用が可能です。
- クリアーで光学特性を調整した自動車メーターの視認性の比較例(マット(左)とグロス(右))
3. クリアーの光学特性と厚盛機能の応用によるデザイン性の向上
クリアーの光学的特性と立体的な加飾を付与する厚盛印刷を組み合わせることで、立体的な強調性· 触感性·視認性などの機能を製品に付与し、訴求効果の高いデザインを実現することが可能です。
- 高級感のあるパール色を印刷したシートにUV厚盛クリアーでデザインを施した例
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