環境対応ニ液型インサート成形用インキとバインダー
ハロゲンフリー環境対応インキのご紹介
ハロゲンフリー環境対応インキとして、原材料にハロゲン(塩素Cl、臭素Br)化合物を意図的に使用せず、 ベンゼン・トルエン・キシレン・イソホロン等の環境負荷物質を含まない 環境対応ニ液型インサート成形用インキとバインダーをご紹介します。
1. ハロゲンフリー化の背景と帝国インキの取り組み
1-1. ハロゲンフリー化の背景
一部の電子機器、携帯関連メーカーにおいて、焼却時に環境負荷物質発生の原因となるハロゲン物質(主に塩素Clと臭素Br)の非含有を推進する動きがあります。ハロゲン物質は、主に難燃剤や、塩ビ(PVC)、塩酢ビ樹脂、顔料などに化合物として含まれています。
現時点(2009年11月)では法規制では無く自主規制の為、お客様により対応状況は統一されておりませんが、概ね以下の基準を採用しています。
ハロゲンフリーの定義(最終商品として)
- 臭素(Br)の含有濃度 900ppm以下 (0.09%以下)
- 塩素(Cl)の含有濃度 900ppm以下 (0.09%以下)
- 臭素と塩素を合わせた含有濃度 1500ppm以下 (0.15%以下)
他のハロゲン元素であるフッ素(F)、ヨウ素(I)、アスタチン(At)は自主規制の対象外です。
1-2. ハロゲンフリー化に対する当社の取り組み
当社では、環境リスクの低減のため、上記のようなハロゲンフリー化に対応する
ハロゲンを意図的に含まないハロゲンフリー環境対応ニ液型インサート成形用インキとバインダー
を以下の通り準備しております。
FIMやIMD用の二液型インキ |
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インサート成形時の成形樹脂との接着層は 右記バインダーを ご使用下さい。 |
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2.ハロゲンフリー成形用インキの特徴
- 原材料にハロゲン(塩素Cl、臭素Br)化合物を意図的に使用しておりません。
- ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、イソホロン及び塩素系樹脂を含まず、 人体・環境に優しく安全性に優れています。
- FIM用インキに求められる高い柔軟性と耐流れ性(高耐熱性・強靭性) を維持しつつ、環境負荷物質の排除を実現しています。
各インキの特徴
名称 | インキの特徴 | 適応原反 | 活用例 |
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IPX- HF | 二液型FIM/IMD用スクリーンインキ
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PC 処理PET PC/PBT PMMA |
自動車銘板・内装 携帯電話 携帯オーディオ 家電銘板 PCの外装 ディスプレイ |
INQ-HF | 二液型FIM/IMD用スクリーンインキ
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TPU 柔軟性のある素材 |
携帯電話 メンブレンスイッチ 家電銘板 |
IMB-HF006 | 一液型FIM/IMD用バインダー(接着層)
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ABS、PMMA、AS等の汎用樹脂成形対応。 | FIM時の成形樹脂との接着層 |
IMB-HF009 |
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PC樹脂、PMMA樹脂成形対応。 | FIM時の成形樹脂との接着層 ミラーインキ用 |
- SDS(製品安全データシート)が用意されております。当社製品のSDSをご請求下さい。 当社製品をお取り扱いの場合は「SDS」を参考にして、使用者の責任において実態に応じた適切な処置を講じてください。
- ハロゲン化合物が混入する可能性がある為、指定溶剤、指定硬化剤以外は使用出来ません。
- スキージゴム、乳剤、資機材、被印刷体などにハロゲン化合物が含まれる可能性がありますので、確認の上ご使用下さい。
安全な取り扱いについて
3.ハロゲンフリー二液型成形インキの使用例
当インキの使用により、「ハロゲンフリー化による環境リスクの低減」と「優れたデザイン性による商品の差別化」の両立が可能となります。
3-1. 携帯電話(IPX-HFの使用例)
携帯電話等の電子機器類においてハロゲンフリー化が求められています。
携帯電話(1)
携帯電話(2)
携帯電話(3)
3-2. パソコン(IPX-HF,IMB-HF006の使用例)
パソコンの天板に使用することで、デザインの差別化とハロゲンフリーを同時に実現可能となります。
3-3. その他のプラスチック製品(INQ-HFの使用例)
通常のフィルムインサート成形にもご使用頂けます。(写真はルアーになります。)