製品概要

IPX-HFインキシリーズは、原材料にハロゲン(塩素Cl、臭素Br)化合物を意図的に使用していない、環境対応型の二液反応型インサート成形用シリーズです。フィルムインサ-ト成形等の後加工時の耐熱性に優れます。

用途

  • 自動車内装などのフィルムインサート製品全般、家電銘板
  • 自動車・バイク

  • 家電(IoT)

  • スマホ・タブレット・スマートウォッチ

  • センサー

  • ゲーム

  • その他

特長・機能

  • 易接着処理PETフィルム、PC(ポリカーボネート)シ-トへのフィルムインサ-ト成形用意匠印刷物の作成が出来ます。
  • IMBバインダーと組み合わせる事で、PMMA(アクリル)、ABS、PC(ポリカーボネート)樹脂等でのインサート成形が出来ます。
  • 二液反応型で耐熱性に優れた塗膜を形成します。

基材

  • PCシ-ト、易接着処理PETフィルム

希釈

  • F-002溶剤(速乾) F-003溶剤(標準) Z-705溶剤(遅口)
  • 希釈10~15%
  • ※ハロゲンの混入、硬化性、接着性、版上安定性、その他悪影響を及ぼす可能性があるので他の溶剤は使用しないで下さい。

硬化剤・補強剤混合

  • 106硬化剤 14%(接着向上) ポットライフ2~3時間
  • 240硬化剤 10%(標準) ポットライフ4~5時間
  • 200硬化剤 16%(超柔軟) ポットライフ4~5時間
  • ※ポットライフを経過するとインキはゲル化します。使用する分だけ、調合するようにして下さい。

補助剤

  • SM-40消泡剤 1~3% (消泡、レベリングの向上用)

推奨洗浄剤

  • スクリーン溶剤L2

メッシュ

  • T-200~270メッシュ (T-250のとき、印刷面積は約35m2/kg)

乾燥

  • 90℃ 60分
  • 重ね印刷 各層 80℃ 10分 (タックフリー) 最終層 90℃ 60分 (バインダー印刷後)

設定色

  • 000メジウム

  • 001ビクトリア

  • 169紅

  • 179赤

  • 199赤

  • 239青黄

  • 279赤黄

  • 399藍

  • 529朱

  • 589牡丹

  • 679白

  • 829紫

  • 939NC墨

  • 979墨

  • ピアノブラック

カラーガイドのご紹介

注意

  • ハロゲン化合物が混入する可能性がある為、指定溶剤、指定硬化剤以外は使用できません。
  • スキージゴム、乳剤、資機材、被印刷体などにハロゲン化合物が含まれる可能性があるので、確認の上ご使用下さい。
  • 成形樹脂との接着層として必ずバインダーを印刷して下さい。
    ⇒IMB-HF009バインダー:MIRインキ対応、PC樹脂、PMMA樹脂成形対応。
    ⇒IMB-HF006バインダー:ABS、PMMA、AS等の汎用樹脂成形対応。
  • バインダーを印刷する場合、下地インキが過剰乾燥していると剥離強度が低下します。 必ず連続してバインダーまで印刷を行い、最終乾燥を実施して下さい。
  • 真空成形、圧空成形、金型成形などのフォ-ミング加工、および、印刷シートを金型内に挿入し射出成形樹脂と一体化させるインサ-ト成形では、印刷素材と意匠印刷用インキ及び、バインダーの選定、印刷条件、印刷順、乾燥方式と条件、成形樹脂の選定、金型の設計(射出ゲートの種類と位置、ゲートの数)、射出成形時の条件設定など、複合的な要因が最終製品の性能に影響します。
  • 試作での試験を十分に行い、夫々の条件を適切に設定してから、ご使用下さい。
  • インキの品質安全期間:未開封で製造日より24か月

消防法

  • 危険物第四類第二石油類、危険等級Ⅲ級

安全な取り扱い

  • 皮膚や目を保護するために、安全手袋や保護眼鏡をご使用下さい。インキが皮膚に付着した場合は、石鹸などで十分に洗い流して下さい。また、目に入った場合は水(または微温水)で十分に洗眼した後、医師の診断を受けて下さい。
  • 使用後は、容器を完全に密閉し冷暗所に保管して下さい。
  • SDSを用意しております。本製品を取り扱う前にSDSをご請求頂き、ご理解の上使用者の責任においてお取り扱い下さい。

耐性

試験項目 試験条件 試験結果
接着性 JIS K 5600-5-6:ISO2409(クロスカット法)、1mm幅で6×6、セロハンテープ剥離,剥離の無い事 0(剥離無し)
引っ搔き硬度 JIS K 5600-5-4:ISO 15184(鉛筆法)、荷重750gで塗膜が傷の付かない鉛筆(三菱鉛筆ユニ)の硬度 F
耐熱性 JIS K5600-6-3:ISO 3248: 90℃、400h、塗膜の外観変化、原反からの剥がれの有無 異常無し
耐温水性 JIS K 5600-6-2: ISO 2812-2, 50℃温水、48時間浸漬、塗膜の外観変化、原反からの剥がれの有無 異常無し
耐酸性 5%硫酸, 7時間 浸漬、塗膜の外観変化、原反からの剥がれの有無 異常無し
耐アルカリ性 5%水酸化ナトリウム, 7時間浸漬、塗膜の外観変化、剥がれの有無 異常無し
耐アルコール性 学振型摩擦試験機、カナキン3号綿布エチルアルコール含浸、荷重200g 50回での剥離の有無 異常無し
耐摩擦性 学振型摩擦試験機、カナキン3号綿布、荷重500g 500回での色落ちの有無 異常無し
耐錘落下性 JIS K5600-5-3 デュポン式衝撃変形試験機にて錘500gを50cmの高さから落下 異常無し
耐打抜性 プレス機による打ち抜き 異常無し

試験条件

  • 試験条件 【IPX-HF679白】 【F-003溶剤 10%】 【240硬化剤 10%】 【90℃ 60分】【T-250】 【原反:ポリカーボネートシート】
  • 上記耐性試験結果は、弊社における測定結果であり保証値ではありません。
  • 本カタログに記載されている情報は、予告なく変更する場合が有ります。

よくある質問

FAQ

FIM/IMDとは何ですか? また、関係するテクニカルレポートもご紹介ください。

FIM/IMDで、フィルムと流し込む樹脂の組み合わせの例はどんな物が有りますか?

シートにはPCやPET、アクリル等があります。樹脂に関しては、PC、PMMA、ABS、PC/ABS、AS等が適しています。逆にPP等のオレフィン系樹脂は接着性の面から難しいのが現状です。

インサート成形とインモールド成形の違いは何ですか?使用するインキの違いはありますか?

ここで言うフィルムインサート成形は、印刷面がシートと樹脂の間に封入される状態になります。インモールド成形は、シートと樹脂が密着し、表に印刷面が出る状態です。使用インキは要求性能により変わります。

インサート成形で行える大きさはどれくらいまで可能ですか?

理論的には成形機に依存します。また、シートの伸び率にも限界がある為、印刷基材に影響されます。

一般的にインキ+成形の方法で製品を作っている業種や実際の製品はどのようなものがありますか?

業種としては、自動車内装、アミューズメント、家電が中心となります。実際の製品は、スピードメーターやパチンコ台、ポットやテレビなど多岐に渡ります。

成形インキについて機能性インキを使用する場合、制約が掛かりますか?

色調、輝度感などに限度があります。デザインによってはお客様のご希望に添えない場合が御座います。ご了承ください。

塗膜と樹脂を無理にはがした時、はく離面を見ると、片面にインキが残る場合と、両面にインキが残る場合があります。これは何故ですか?

インキが原反面のみに残る場合は、成形樹脂との密着が悪く、成形樹脂面に残る場合は、インキが原反に密着していない「界面はく離」の状態です。

また、原反面と樹脂面にインキが残っている場合は、原反、樹脂への密着は良好だが、塗膜自身に破壊が起きている「凝集破壊」の状態です。

樹脂と塗膜が剥がれてしまいました。どうすれば良いですか?

樹脂とインキ塗膜、原反が適応していない可能性があります。弊社営業に御一報ください。

今まで接着していたのに、急にはく離が発生します。どうすればよいのでしょうか?

今まで接着していたのに、急にはく離が発生します。どうすればよいのでしょうか?
以下のポイントをチェックしてください。
①塗膜の膜厚
・バインダー層の膜厚が低いと密着が弱くなる傾向があります。
②塗膜の乾燥条件
・充分に乾燥していないと、塗膜の強度が弱くなり、凝集破壊が発生します。
③インキ及びバインダーに消泡剤などの添加剤を入れていないか?
・消泡剤等の添加剤を入れた場合、樹脂との密着が悪くなる傾向があります。

IPX-HF、INQ-HF、FMXなど、XやQ、-HFがつくインキとは何ですか?

X、Qが末尾に付くインキシリーズは、 イソホロンフリーのインキシリーズです。また、-HFはハロゲンフリーのインキとなります。

非導電墨インキとは何ですか?

非導電(Non-Conductive)墨インキとは、塗膜の電気抵抗値が高く、電気を通しにくい機能と高隠蔽な黒色を両立するインキです。

電気抵抗が高い(電気を通しにくい)ことで、塗膜に電流が流れることで発生する電子部品等の誤動作や故障をふせぎます。

さらに、高い隠蔽性により遮光性を要求するフラットパネルやスマートフォンのディスプレイの印刷に適しています。

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